「なぜ台湾は強くなってきたのか」(取り組み方・体制)

ビリヤード強国台湾。

ここ十年の間なのでしょうか、世界強国の1つとなった台湾ビリヤード業界。
(そうそう、カー君!北陸オープン優勝おめでとー!)

そこでタイトル、、、「なぜ台湾は(ビリヤードが)強くなってきたのか」について、

今回は「取り組み方(体制)」という面から、私が実際に台湾に住んでみて

体感したことを書いてみようと思います。

~~~

【第一】
 「プロ選手」=「仕事」として成り立つ(収入)ことが実証されている為、将来プロを
 目指している人が明確に目標を持って頑張れる

  ・プロ選手として活躍していけば、ビリヤード(試合)だけで生活していけるという実証が
   あるため、将来これで食っていこうというアマチュア人が、しっかりした目標をもって
   練習し続けられる。

  ・「プロ=仕事」という観点から、サラリーマンの仕事が8時間勤務とすれば、同じように
   8時間練習することがビリヤードプロの仕事時間という意識を基本的に持っている。
   (また、「賞金の大きな海外戦」=「ビリヤードプロとして重要な仕事案件」という意識も強い)

【第二】愛国心の強い台湾は「1人が強い」ではなく、「台湾」が勝つことが重要。

  ・例えば台湾プロツアー、もちろん真剣な場ですが、お祭り的雰囲気もあると思います。
   この「台湾プロツアー」は選手同士の懇親の場(試合後の夕食会)であったり、また、
   (技術)情報交換の場(※)でもあります。
   
   (※)試合で「出しミス」した球や「難しい」球があると、みんなで議論している
      シチュエーションよく出くわします。
   
   通じての雰囲気も「台湾全体」が強くなることを皆んなで意識している感じがします。
   
   そういうこともあってか、世界戦ともなると大勢が参戦し、最終的には台湾の誰かが勝つ
   こと(もちろん自分が勝つことが一番ですが)をとても強く願い、「ビリヤード=台湾」
   ということを自負しているのかもしれません。

  ・選手の向いている先は常に海外の大きな試合。
   賞金の大きい海外試合で勝つことがもっとも有名になれる(ステータスを得られる)チャンス。
   (勝てば国からの報奨金、スポンサー、TV出演等)

【第三】「組織」という字のごとく、台湾のビリヤード組織内の動きがとてもしっかりしている。
     『特に「STEVENさん」の功績は計り知れない。』

  ・STEVEN(林申勇)さんはプロ協会のNO2。
   彼は「ビリヤード=台湾」の為に、毎日とんでもなく忙しく過ごされています。

   そうそう、彼は先日の10ボール世界選手権の引率リーダですが、少しでも選手の
   環境をよくする為、ホテル1つ選ぶのにも凄くよく考えています。

   今回お世話になったホテルは「パールガーデンパンパシフィック(マニラ)」という所
   ですが、すぐそばに練習場(球屋)があり、周辺には中華料理屋さんも多数あり、
   選手に出来るだけ違和感が無いような、また不便のないような環境を作り出しています。
   
   また当日の試合の際も選手用にバスをチャーターし、点呼を取って(ちゃんと会場入り
   出来ているかどうかも1人ずつ確認したり、各選手の試合テーブル番号をすぐに確認し、
   選手は事前にそのテーブルを見慣れておいたり、または練習できるように整える等)
   試合会場の定期往復便を出しています。
   
   他にも特に感心したのがマニラに住んでいる台湾人大学生や飲食店経営者との繋がり
   をしっかり持っていて(恐らくボランティア)、マニラ滞在時の通訳係や道案内人、お店
   紹介をする台湾人が何人もいたり、生活上での不具合等、問題があればすぐに対応
   できるように連絡網を配備していたり等、選手の負担を極力減らしています。

   このマニラ在住の台湾人大学生達は試合会場往復のチャーターバスとは別に自家用車
   を使って、送り迎えもしてくださったり、会場の試合呼び出しアナウンス(英語)を中国語版
   でマイク放送したり。至れり付くせりの対応をしてくださいます。

   あとSTEVENさんの携帯電話は、選手が何か確認したい事項があった場合の集中連絡先
   になっており、夜中であろうが、寝ている時であろうが24時間電話を受け付けています。
   また、負けた選手が早期帰国希望をした場合の飛行機チケット変更等も全て
   彼がやっています。
   
   更に、先日の10ボール世界選手権でのSTEVENさんの行動を拝見して一番感動
   したのが、台湾選手を1人でも多くStage2に送り込む交渉を粘り強くしていた所です。
   STAGE1リザーブリストに入っている選手の不安(STAGE2に出れるの?出れないの?)
   を少しでも早く取り除く為に、フィリピンの協会やRAYA SPORTS幹部への熱心な交渉。
   私、たまたま現場近くにいたので拝見していたのですが、選手のことを思う気持ちが凄く
   よく伝わりました。
   更に更にSTEVENさん、、、台湾選手が試合で負けると、その選手と敗因に関する反省会
   &議論をしています。

   そんなSTEVENさんは、いつ寝てるんだろうというくらい忙しく、いつも選手の為に走り
   回っておられ、台湾選手にとってはかげがいのない人です。(ちなみに台湾TVマッチ
   関係のTV解説も選手の事を熟知しているSTEVENさんが主にされています)

【第四】マスメディアとの関係&協力が良好

   台湾では試合の次の日、新聞やテレビのスポーツニュースにも結果等が出ています。
   
   また台湾内では男子&女子ともに年約三回の「TV試合」が開催されています。
   (スーパーカップを入れると4回かな。でも今年は開催されないようですが)
   
   この「TV試合」は、1トーナメントあたり週一回の生放送(3試合)で毎週行っていき、
   約1か月かけて決勝戦まで放映されます。
   これが男女各年3回あるわけですから、年中TVでビリヤードの試合がある感じがします。

   なぜこんなにもマスメディア(TV、新聞等)との関係が良いのか。
   
   もちろん、「ビリヤードをやる人が多い」=「需要がある」ということもありますが、以前
   にプロ協会会長(TUさん)と食事をさせて頂いた際に仰ったのですが、「Hammer(君)は、
   なぜ台湾のビリヤードがここまで来たか分かる?」、それは「台湾ビリヤード業界とマス
   メディアの関係がとても良いからというのも1つの要因としてあるんだよ」。
   
   そう、先述の様に台湾では「TVでビリヤードの試合が流れていたり」、「新聞に目を通す
   と試合結果が掲載」されていたりするわけですから、それはつまり世間からも野球や
   バスケット、サッカーの様に「プロスポーツの1ジャンル」として見やすくなっていること
   が考えられます。

【第四】一軍、二軍のようなシステムがある。プロになるには狭き門突破が必要。

   ・台湾の試合はプロツアー(一軍)、青英会ツアー(二軍)があります。
    「青英会」というのはプロとして戦っていく前の段階のツアーです。
   
   ・プロになるためには、その「青英会」ツアーで年間ランキング1or2位(年間2人)に
    ならないと一軍(職業組)として上がるのが難しいという、本当に厳しい狭き門が
    待っています。まさに「選ばれし者」ですね。
    
    ワンホンシャンにしても、カー君やウーイールンにしてもそう、みんなココを
    通って君臨したあとに一軍(職業組)に上がってきています。
    
    ただ、逆にメチャクチャ球がうまくても「年間ランキング」で1or2位がなかなか取れず、
    何年も青英会に甘んじている人も多いです。
    また、「青英会ツアー」は平日開催も多々あったり、遠征もあったり等、費用や時間面
    でもその強い意志を試されます。

    1軍選手になるには、この厳しい2軍ツアーを駆けあがれるパワーが必要です。    

【第五】コーチ(教練)に付くのが普通。

   ・自分一人で練習して「あーでもないこーでもない」とやっていると、
    変なクセが付いてしまったり、間違ったことを長年やってしまったり。

   ・「球は見て盗め」というのはトッププロレベルの人は別かもしれませんが
    そうではない発展途上の場合、間違っていることや成長するために必要
    なスキルに気づくのに時間がかかるし、その「時間」自体が勿体無いです。
    客観的に見て指示を頂けるコーチの指導を仰ぎながら、育っていきます。   

~~~

このような感じで、システムが上手くできていることが、「ビリヤード強国台湾」を
築き上げているのだと私は感じています。

まさに台湾プロ協会のTu会長&Stevenさん、周りの役員の方々のご尽力が
開花してきているといったところでしょうか。

ということで今回は、「なぜ台湾がビリヤード強国になってきたのか」について、
「体制」という面から感じていることを私見として思いのままに書いてみました。


2008.10.13 | | Comments(15) | Trackback(0) | 撞球のこと

コメント

driverさん

コメントありがとうございます。
(請問一下,你是台灣人嗎?)

そうです、KFキューが青英会の
スポンサーをされています。
(對了,那時K.F. Cues幫助青英會。)

ブログを見てくださってありがとうございます。!
(謝謝看我的部落格!)

2009-03-13 金 07:23:42 | URL | hammer #- [ 編集]

thanks

I thought the 青英会 were sponsored by K.F. Cues?
大したものです

2009-03-11 水 08:04:50 | URL | driver #PW1zTxkA [ 編集]

通りすがりさん、

コメントありがとうございます。

そうですね。

「職業」=「ビリヤードプロ」というのが
日本でしっかり1つの社会的地位として
確立できる日が来ることを望んでいます。

ということで、こちらこそ今後とも宜しく
お願いいたしますっ。

2008-10-23 木 01:54:41 | URL | hammer #- [ 編集]

ありがとうございます。

ご回答ありがとうございました!
そういえば、青英会とは比較できませんが、日本だと強いて言えば各県のアマ連でしょうか。
人数でいうと1千人近くでしょうが、昔ほどプロ養成所的な感じでもなく、やや厳格なサークルっぽい印象があります。
もちろんプロを目指してる方も大勢いますが、あくまで生涯アマチュアの立場でビリヤードを極めていこうという方が大勢です。
結局は、ビリヤード=職業という図式が成り立たたないと変わらないのでしょうね。
それではまた!

2008-10-22 水 13:25:59 | URL | 通りすがり #- [ 編集]

通りすがりさん、

コメントありがとうございます。

青英会&プロの数の件、把握はしていない
のですが、試合参加人数(常連)ベース
ですと、大体各70~90人です。

「青英会」は一軍になるための「登竜門」
ですが、試合には出ないけどビリヤード
を結構やる人でも「青英会」と聞くと
少しビビる位のステータスがあります。

ましてや「職業組」となると、「誰も
ビビって・・・」みたいな。
明らかに強いですもんね。

台湾での「職業組」はそれくらいの格式
があります。

ご参考までに。

2008-10-22 水 00:58:43 | URL | hammer #- [ 編集]

また見にきました

おつかれさまです!
とっても勉強になったので、その後もチェックはかかしません!
教えてほしいのですが、青英会といわゆる一軍はそれぞれ何人くらいいるんでしょうか?
プロスポーツとして成り立って初めて出来る制度ですね。
日本も早くそうなってほしいです。

2008-10-21 火 12:53:59 | URL | 通りすがり #- [ 編集]

通りすがりさん、

コメントありがとうございます。

1つのプロスポーツとして環境を整備していく
ことで、それが業界だけでなく、選手自体の
レベルアップにもつながっていくものだと感じています。

今後とも宜しくお願い致しますっ!

2008-10-17 金 00:23:12 | URL | hammer #- [ 編集]

mimiさん、

コメントありがとうございます。
(こちらこそ初めまして!)

カー君は若干19歳ですが、去年の台湾
スーパーカップ優勝、Jr世界世界選手権
優勝(現Jr世界王者です)、タイオープン
優勝、そして今回の北陸OP優勝、、、
活躍してますねー!

尚、お問い合わせの件、カー君の青英会
時代はご両親の「もういいだろう」というOKが
出るまでひたすら青英会に君臨していました。


そういうこともあり、万を持して職業組に上がったのが
去年です。

ご参考までに。

また今後と是非宜しくお願い致しますっ!

2008-10-17 金 00:14:57 | URL | hammer #- [ 編集]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2008-10-17 金 00:10:21 | | # [ 編集]

勉強になります!

想像以上のバックグラウンドにびっくりです!
勉強になりました!

2008-10-16 木 20:31:52 | URL | 通りすがり #- [ 編集]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2008-10-15 水 19:25:19 | | # [ 編集]

タオラーさん、

コメントありがとうございます。
(こちらこそ初めまして)

仰られるように、同じ人間ですし、特別な力が
必要とされるわけではないビリヤード。

日本は先進国。

ビリヤード用品1つとっても申し分ない
位の良いものが揃っています。

また日本人の「器用さ」を考えても
ビリヤードは向いているような気が
します。

あとは環境&考え方なのかなー。

人間は「変化」することに対して「不安」
を抱えるものですが、大きく変わることを
望むのであれば、その大きな障害を1つづつ
乗り越えていくしかないかもしれませんね。

早急にというのは難しいと思いますので、
マクロ的に見ながら、今後の5年、10年
先の日本のビリヤードを見据えるような
大きな視野が必要かもしれませんね。
(ただ着実な行動が必要かと思います)

尚、今回の日記を書く際、公開するかしないか
少し戸惑いましたが、こうやってタオラーさんの
様に活発なコメントを下さる方もいらっしゃる(謝謝!)
ので、また機会がありましたら別の側面からも書いて
みようと思います。

2008-10-15 水 15:44:37 | URL | hammer #- [ 編集]

初めまして^^
わかってはいたけど、
こうはっきりと書いてもらうと強さの環境の違いがはっきりしますね。
同じ人間で同じ体格、違うのは環境と考え方のみ・・・
しかし、これだけのことを日本で行うとなると問題が山積み過ぎるような気がします。

2008-10-15 水 10:36:38 | URL | タオラー #- [ 編集]

ありごさん、

コメントありがとうございます。

そうですね!

世界強国になるためには組織&選手が一丸
となってレベルアップを図る事と、出来る
だけ視野を広く、「世界レベル」で見ていく
ことが重要なのかなと思います。

台湾の色んなノウハウ、いずれ何かのお役
に立てればと思います。

2008-10-15 水 03:07:56 | URL | hammer #- [ 編集]

勉強になります。
僕ら日本選手も羨ましがっているだけでなく、前に進んでいきたいですね!

2008-10-14 火 17:30:34 | URL | ありご #- [ 編集]

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台湾のビリヤード(撞球、POOL)スタイルにハマッたHammerの日記。(這個是Hammer的部落格上面還記
載了學中文及生活的許多事)...そして2012年4月以降、中国広東省シンセン市南山区にてHammer Billiard Club本店(深圳汉默台球俱乐部)を、2014年8月に深セン最大級のポケットビリヤード場、Hammer Billiard Club旗艦店を、その後帰国し2016年4月8日より広島ビリヤード&カフェバー胡町電停前店をOPEN!

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